BUZZ RICKSON'S WILLIAM GIBSON COLLECTION『36oz.WOOL MELTON BLACK PEA COAT』のご紹介です。
俗に“ピー・コート”と呼ばれるコートの原型は、18世紀には存在していたとも言われている。 名称は、オランダ語の“Piijekker(ピーイエッケル)”を英語にした物で“Pii”が粗い毛織り物、“jekker”がジャケットから由来している。 ヨーロッパ諸国でもピー・コート型のコートが幾つかの軍で採用されてきたが、今回のこのピー・コートは、アメリカ海軍が下士官用コートとして採用した1910年代のものである。 1910年代のピー・コートの特徴は、高密度の分厚いメルトンウール素材を用いていることと、アメリカの国章を表す13個の星が彫刻されたアンカーボタンが付くことである。 この13個の星は、1777年にアメリカが合衆国として独立した時の州の数が13であったことに由来している。アメリカ海軍がピー・コートを採用した正確な時期は不明だが、第一次大戦当時の服装規定には既に下士官用コートとしてオーバーコートが掲載されていた。 襟が大型なのは海上で作業する際、襟を立てて顔を覆い、強風対策を十分に確保出来るよう設計されている。また、ポケットはスリット式のものが垂直に付けられているが、これは凍えた手を暖めるためのハンド・ウォーマーポケットである。 1930年代以降になると生産性やコスト面が見直され、生地の軽量化が進み、13スターボタンも廃止される。 このピーコートは官給品よりも着丈を若干短くして運動性を持たせ、強度面を意識してポケットの玉縁にはレザーを使用している。
【ジャケットの詳細】 マテリアル:36oz.メルトンウール ライニング:レーヨンサテン ボタン:MIL規格ユリア(尿素)製(13スター&アンカーモチーフ) ラベル:Naval Clothing Factory/William Gibson
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